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日陽はしづかに発酵し・・・ のクチコミ・感想
作品情報
タイトル名 日陽はしづかに発酵し・・・
製作国ソ連
上映時間128分
ジャンルドラマ
レビュー情報
何とも面白い、特異な作家の登場である。確実に映画史・映像史の基礎を踏まえた画作りでありながら、その因果関係を語ることを許さない。ソクーロフの映画としか言いようのない、生誕の瞬間から完成していたかのような気味の悪さがある。褐色のモノクローム、アイレベルではありえない垂直の俯瞰視線、その奇抜さを語ることさえ拒むかのような完成度なのだ。 色調の徹底はタルコフスキー的(というよりタルコフスキー以後ロシアの伝統的)であるし、紙に火をつけ燃やす(これがなかなか点かない)1ショット1シークエンスもまたタルコフスキー的である。 が、その色調はタルコフスキーのように自然を美化するためのものではなく、むしろありのままの広大な自然、荒野に人間を配置し、その人物を浮き立たせるためであるし、省略を恐れず、積極的に物を語る姿勢にも充ちている。惜しむらくは語るべき物の不在であろう。ソクーロフはいつか傑作を撮る。この作品に触れて、それだけは確信できる。
stroheimさん [ビデオ(字幕)] 7点(2006-12-29 02:33:43)(良:1票)
その他情報
作品のレビュー数 4件
作品の平均点 6.75点
作品の点数分布
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作品の標準偏差 2.49
このレビューの偏差値 50.40
※この作品のどの当たりの点数に位置するかを表した値
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