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狩人の夜 のクチコミ・感想
作品情報
タイトル名 狩人の夜
製作国
上映時間92分
ジャンルサスペンス,モノクロ映画,小説の映画化
レビュー情報
《ネタバレ》 トリュフォーじゃないが、映画史上に燦然と輝く世紀の傑作を選べと言われたらわたしは本作を推すだろう。伝道師ハリーが幼い兄妹を追い続けるというその追跡行為は、金銭の欲に動機を発しているようでいて、失われた何かを追い求める、取り戻そうとする純粋な、抑止の効かない自然発生的な感情のように感じられるのだから分が悪い。 この追跡の映画には、宗教や集団心理の危険性、殺人、貧困、漠然とした愛、といった主題の断片がそこここにありのまま提示されている。存在の全てををさらけ出すようなこの観念的な魅惑が表現主義直系の映像(この水の美しさといったら!)に拠ってまるで恣意的に映画を宣言する。 サスペンスの表象を纏ったこの映画はスタンリー・コルテスを通じてサミュエル・フラーへと誘い、感知できる最小の音量で歌われる“rely-rely”の恐怖がブレッソンの“トーキーは無音を獲得した”という名文句を想起させてしまう、個人映画史上に欠くことのできない逸品である。
stroheimさん [ビデオ(字幕)] 10点(2006-04-15 05:03:49)
その他情報
作品のレビュー数 41件
作品の平均点 6.78点
作品の点数分布
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349.76%
437.32%
537.32%
6614.63%
7819.51%
8819.51%
9717.07%
1024.88%
作品の標準偏差 1.98
このレビューの偏差値 58.20
※この作品のどの当たりの点数に位置するかを表した値
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