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クラウドアトラスそれは世界を紡ぐ旋律。人とはその一つ一つの音でしかない。
善人と悪人の相違は世界から見れば優劣はなく、厳然と流れるクラウドアトラスの節の一点にすぎない―――。 事象の価値を決めているのは人間の都合であり、世界にとっては何の意味も持たない。 しかし全ての音階には意義がある。だがその本質が認識できない。言うなれば我々は真意が分からないのである。この演奏の意味がそして行きくつく先が―――。 人は真実が存在しているのは知っているが、客観的な真実は知れないという原理を忘れやすい。 たとえば隣にいる人に何かを尋ねてみる。その答えの真実はその人には分かるが、あなたはその人の答えを「信じる」しかないのである。 この世になぜ神が存在するのか。それは絶対的な真実を人は欲しているからであろう。 絶対的な真実とはクラウドアトラスに他ならない。 ひとつの音符が他の音符との断絶感に嘆き、関わりを断ち切って孤立していては、この豊饒で壮大なクラウドアトラスの調べは奏でられない。 全てを知っている神の存在とはクラウドアトラスシンフォニーの指揮者であり、人とは神が調律した楽器のようなもの…なのかもしれない。 【クロちゃん】さん [映画館(字幕)] 10点(2013-03-17 11:53:47)
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