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《ネタバレ》 長さによりしばらく敬遠していたのだがついに鑑賞。なるほど、今の目から見ても十分面白い。尺の長さも七人+村人をきちんと描きだすには必要な長さだったと思う。
■前半が協力する侍探し。中盤が戦略と準備。後半がいよいよ決戦という三部構成。しかし緻密に戦略を立てていくプロセスを描いているからこそ、ただのチャンバラで終わらない頭脳的な戦闘を見られるし、前半からきちんと人物を描いているので、仲間が死んでいく重みも伝わってくる。 ■素朴に突っ込んでいく菊千代に対し、勘兵衛は冷静でありまた戦いの冷酷さを知っている。離れの家を勘兵衛が見捨てるシーン、焼け落ちる水車小屋に菊千代が助けに行くのを止めようとするシーンなどは、そうした微妙なずれが現れているように思う。冷静でない菊千代は最後に怒りと執念でもって敵を倒して自らも死に、勘兵衛は冷静に立ちふるまって生き残る。ある意味では菊千代の方が侍らしく潔い。ラストの「勝ったのは百姓だ。自分たちではない」というセリフ。普通の意味で取れば平和を取り戻した百姓が勝ったのだという意味だが、ともすると「死して戦う」という武士の本分をなさずに生き残った自分は武士として勝てていないということなのかもしれない。 【θ】さん [DVD(邦画)] 9点(2010-08-20 00:14:32)
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