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ジョニーは戦場へ行った のクチコミ・感想
作品情報
タイトル名 ジョニーは戦場へ行った
製作国
上映時間111分
ジャンルドラマ,戦争もの,医学もの,モノクロ映画,小説の映画化
レビュー情報
《ネタバレ》 このストーリーはあまりに残酷だ。戦場で顔をすべてえぐられ、四肢を失い、何もできない状態で、しかし死ぬことすら許されずに生き続けなければならない地獄。正視できない。二度見る気には到底なれない。そのぐらい重く、そして強烈な作品だ。

■ジョニーの生きがいはもはや「自分をさらしてそれを世間に知らしめること」にしかなりえなかった。なぜならそれしか彼にはできないから。だから「見世物にしろ」という、普通ならばあり得ないことを彼は望んだ。だが彼の夢の中の見世物小屋でもお金の音だけして観客が一人もいなかったように、結局彼はどこにも出ていけないし、彼自身本当はそれを望んでいないのだろう。

■この映画は反戦映画として有名らしい。しかし、ジョニーの悲惨な状況をすべて戦争に結びつけるのはあまりに安易な気がする。確かに顔がえぐれたのは爆撃によるものだろうが、四肢は「治療が面倒だから切る」という医療現場の判断だし、ジョニーの最後の「殺してくれ」という悲痛な訴えが無視されて生かされるのは医学実験のためである。とすれば、本当の悲劇を引き起こしているのはむしろ医療の方であって、戦争のそれではない。「ジョニーの悲劇=戦争の悪」と短絡的にとらえて感傷に浸る(or戦争への嫌悪感を強める)のは、一見美しく素直に見えて、実は複雑で難しい現実を逃れて、わかりやすさ(「戦争=悪」というコードはあまりに分かりやすい)に逃げ込んでしまう怠惰さなのではないか。

θさん [レーザーディスク(字幕)] 8点(2010-08-21 00:23:41)
その他情報
作品のレビュー数 97件
作品の平均点 7.32点
作品の点数分布
022.06%
100.00%
211.03%
300.00%
444.12%
51111.34%
61010.31%
71717.53%
82323.71%
91616.49%
101313.40%
作品の標準偏差 2.05
このレビューの偏差値 51.62
※この作品のどの当たりの点数に位置するかを表した値
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