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《ネタバレ》 タイトルとは裏腹にとても地味な映画。
ある意味で痛烈に戦争というものを批判しているのだが、少なくとも表立ってはそれはなされてはいない。 残酷なシーンどころか戦争そのもののシーン自体皆無で、もっぱら親父と戦場帰りの兵士と警察の演技のみで話を徹底的に深め、引きずり込んでいる。 やはり一番怖いと思ったのは、殺害の自供を淡々としてしまうところ。戦争に行ってくるとかくも人間性は変わるものなのかと思わされる。 親父にとっても、信じたくない現実に目を向けさせられたのだろう。愛国者である親父にとっては、軍隊は崇高なる存在であり、捕虜を虐待したり、ドラッグをやったり、ましてや仲間を殺したりというのは「あるはずもない」ことであった。しかし現実は違ったのだ。 なお、原題にもなっている「ダビデとゴリアテ」の話は、聖書だと「信仰心の強いダビデ」が「神をあざける横暴なゴリアテ」を倒すという構図で、そこから信仰の重要さを教えるという形で知られているものらしい。 だから、「神の側にいるアメリカの若い兵士」は「神をも恐れぬ横暴なイラク」を倒して正義をなす、といういってしまえば「古い構図」の体現であるとも見れる。愛国者で会った親父が語るのも「美しき軍隊」のイメージを彼が抱いているためだろう。 だが現実は違った。息子の遺品として聖書が出てきたというのが、これをシンボリックに表しているともいえよう。「神の守りはない」 【θ】さん [DVD(字幕)] 7点(2009-03-06 23:51:28)
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