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映画ドラえもん のび太と緑の巨人伝 のクチコミ・感想
作品情報
タイトル名 映画ドラえもん のび太と緑の巨人伝
製作国
上映時間112分
劇場公開日 2008-03-08
ジャンルSF,コメディ,アドベンチャー,アニメ,シリーズもの,ファミリー,TVの映画化,漫画の映画化
レビュー情報
ドラえもんも新声優陣になっていよいよ3作目。リメイクではなく、初の劇場オリジナルストーリーということで、スタッフのプレッシャーも恐らく並々ならぬものがあったと思う。そんな背景で製作された本作のテーマは「環境破壊」。今までもドラえもんの劇場版で環境破壊について触れた作品はいくつか思い浮かぶが、最もそれが顕著だったのが「のび太と雲の王国」だろう。あれが92年だからもう16年である。約20年経ってもこのテーマが映画として成立するのだから、地球の環境破壊がなおも大きな問題であることが痛々しく感じられる。そのためか、今回の劇場版はこれまでの作品以上にショッキングな物語構成をとっているような気もする。一見、キー坊のような愛らしいキャラクターを登場させてファンタジックな雰囲気を出しているようにも見えるが、作品の構成自体はかなり重い。「すべては緑のために」などと言葉を発する植物星の人々には、かつての独裁制の姿を思い起こさせるし、ラスト近くの爆発描写はあのキノコ雲をも連想させてしまう。文頭でテーマは「環境破壊」と述べたが、本当にスタッフが描きたかったのは「人間」そのものだったのではないかとさえ感じてしまう。人間は不条理な戦いを繰り返すものであり、その不条理な戦いに巻き込まれるのが、のび太やジャイアンをはじめとする子どもたちなのだ。更にこの争いを解決するのもまた子供たちである。単なる戦争批判ではなく、人間としてのアイデンティティを植物星という宇宙人に姿を変えて描き出すという手法はなかなか上手いと思う。ただ心配なのはこのようなテーマを扱うと「雲の王国」の時と同じように“否定的なイメージを子供へ暗に植え付けている”“説教臭い”などという輩が必ず現れるのだが、こういう子供向けのアニメだからこそ、ストレートにテーマをぶつけることが出来るというのが利点だと思う。我々大人も、子供のころから思い入れのあるドラえもん映画だからこそ、秘められたテーマをさぐりだすことが出来る。 そして「ドラえもん」という作品は原作初期の頃からそういう直接的なテーマを扱ってきた作品なのだ。大人になった今だからこそ、「ドラえもん」はまた違った視点で楽しめる。
ドラりんさん [DVD(邦画)] 8点(2009-01-08 19:37:44)(良:1票)
その他情報
作品のレビュー数 18件
作品の平均点 5.17点
作品の点数分布
0211.11%
100.00%
215.56%
300.00%
4316.67%
5211.11%
6633.33%
715.56%
8211.11%
900.00%
1015.56%
作品の標準偏差 2.52
このレビューの偏差値 54.45
※この作品のどの当たりの点数に位置するかを表した値
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