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シリーズ初期の頃の中でも、本作はお気に入り。“人間不信”という重いテーマが込められているが、明るく展開する人間ドラマ故に説教臭さを少しも感じない。寧ろ大人になってからの方が、こういったテーマを身にしみて感じるようになれるんじゃなかろうか。佐原健二演ずる虎畑は本作では悪役の如き描かれているが、考えてみれば彼も資本主義の原則に則ってビジネスを展開しているだけで、“悪”というのとはちょっと違う。しかしそういったものが悪と見えてしまうのが、人間不信というものの始まりなのかもしれない。その構図が本作ではゴジラにも当てはまる。ゴジラはただ寝起きで呆けているだけであり、決してモスラの卵をどうにかしてやろうと画策しているわけではない。しかしモスラや人間によって悪の如き邪魔者扱いされてしまう。つまり、人間不信というものをゴジラにオーバーラップさせているわけである。巧みだ。そんなゴジラの姿に人間不信(怪獣不信?)の本当の恐ろしさを知った。実に上手いです。
そんな意味も持ち合わせている本作だが、単純な娯楽活劇としても充分楽しめる。名古屋城の破壊や幼虫モスラとの対決。更にゴジラ対成虫モスラの対決はシリーズ屈指の名シーンだ。 【ドラりん】さん [DVD(邦画)] 8点(2008-04-01 00:02:10)(良:1票)
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