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《ネタバレ》 大映印の小津映画。【青観】さんも書いておられますが、雁治郎、京マチ子、若尾文子、川口浩と、大映映画のスタアたちにが画面を彩ってると、これは確かに市川崑か増村か、って錯覚してしまいますなあ。しかし、私にはこの大映スタアたちの饗宴がひたすら心地よかった。それに小津組レギュラーの杉村春子。この役者たちの抑えた演技がたまらない! 特に京マチ子の微妙な表情は、もう、絶品ですわ。雁治郎のアクの強い演技も、ここでは抑え気味。まあ、小津演出なんだから仕方ないのかもしれないけど、それがまたいい味出してる。宮川一夫も当然のごとくいい仕事。小津の低いアングルに従いながら、大映スタアたちの表情を逃すことはないんだなあ。
若い頃に見たときは、「原節子のない戦後小津映画なんて」って、ひねた見方をしてしまったもんでした。でもかろうじて笠智衆カメオ出演のご愛嬌もあるし、何より、大映印のスタアたちで小津映画の世界が味わえるってのは、私にとってはこの上ないお得感がある映画でした。 【いのうえ】さん [CS・衛星(邦画)] 8点(2007-10-04 23:55:46)(良:1票)
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