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42丁目のワーニャ のクチコミ・感想
作品情報
タイトル名 42丁目のワーニャ
製作国
上映時間119分
レビュー情報
《ネタバレ》 チェーホフっていうのは難しい劇作家だと思う。全世界的に見て、シェイクスピアについで上演回数が多いくせに、滅多に成功した舞台に出会えない。でも、みんなチェーホフを上演したがる。そういう作家だ。思いをうちに抱えていながら、その思いを人に伝えることも出来ず、また、それゆえに、他の人の思いを理解することも出来ない。そういうディスコミュニケーションの世界。そりゃ、表現するのは難しいよ。
で、この映画は、チェーホフに正当に挑んで、成功している。アメリカ人なのに、いや、アメリカ人だからこそ、成功したのか。とにかく俳優たちがうまい。ホント、感心するほど、うまい。でも、特筆すべきは、ジュリアン・ムーアだと思う。エレーナという役どころに必要なのは、こういう美しさだ。存在するだけで人をひきつける。その説得力が大切なんだ。(モスクワでの初演ではチェーホフ夫人が演じたというが、これはかなり違うと思う。)その美しい彼女がひたすらわが身の不幸をかこつ。だからこそ絵になるのだ。
原作で言う第二幕の終幕、エレーナとソーニャの和解の場面の美しさよ。
そしてこの一級品の「舞台」を、「映画」としての一級品に仕上げた、ルイ・マルの生涯最後の力業に心からの敬意を評したい。
いのうえさん [ビデオ(字幕)] 8点(2007-06-02 22:24:29)
その他情報
作品のレビュー数 5件
作品の平均点 7.00点
作品の点数分布
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作品の標準偏差 0.63
このレビューの偏差値 75.00
※この作品のどの当たりの点数に位置するかを表した値
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