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幸福な食卓 のクチコミ・感想
作品情報
タイトル名 幸福な食卓
製作国
上映時間108分
劇場公開日 2007-01-27
ジャンルドラマ,ラブストーリー,ファミリー,青春もの,小説の映画化
レビュー情報
《ネタバレ》  「恋人も友達も何とかなる。努力しだいでさ。」という小林ヨシコの台詞が、この映画の全てを物語っている。いや、確かにそれが堪えきれないほどつらい人もいるだろう。でも、それは長続きはしない。しかし、家族を失っては取り返しがつかない。この映画は、淡々とした描写の中にも、そのテーマを色濃く浮かび上がらせられた点が素晴らしい。
 ストーリー上、確かに大浦くんを死なせる必要は無い。それによって、何か劇的な変化がこの家族に起きたわけではない。彼の死と家族の再生はトレードオフの関係には無い。だが、周囲の優しさをあぶりだすためには、彼の死は非常に効果的に扱われている。冒頭に書いたヨシコの台詞も生まれないし、佐和子が父にぶつける叫びも出てこない。また、大浦くんは家族に恵まれない(?)佐和子にとって、大きな支えになっていた。大浦くんのちょっと場違いな台詞「君はみんなに守られている」は彼の死によって、皮肉にも大きなリアリティを持つこととなった。支えが一つ消えたときには、別の何かが支えになる。人生とはそういうものだし、そうでないとみんな自殺してしまうと思う。
 キャストの話になるが、何と言っても良かったのは大浦くん。ちょっと間違えるとすべりがちで難しいキャラクターだと思うが、嫌味無く演じきれていたと思う。佐和子も良かった。笑顔が特に良かった。
 最後に、ラストシーンの「くるみ」は、僕は要らないと思う。少し長いし、あの歌詞だけではこの映画が伝えたいことを表現しきれていない気がする。何度か振り返った後、前を向いて歩いていく佐和子。そして「幸福な食卓」。それで十分だったのではないか?
 8点か9点かでかなり迷ったけど、若手のこれからの活躍に期待して9点にします。いい映画でした。
枕流さん [DVD(邦画)] 9点(2008-02-05 00:25:48)(良:1票)
その他情報
作品のレビュー数 45件
作品の平均点 6.69点
作品の点数分布
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324.44%
448.89%
548.89%
6715.56%
71635.56%
8511.11%
9511.11%
1024.44%
作品の標準偏差 1.70
このレビューの偏差値 58.02
※この作品のどの当たりの点数に位置するかを表した値
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