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《ネタバレ》 観た後、感極まって言葉が出なかった。ここしばらく低迷していた(個人的に)ジブリ作品の中で、突き抜けた快作だ!訴えるテーマが多すぎて焦点が散漫になっていた上に、そのテーマも陳腐で説教臭く感じていた「もののけ」以降の悪い流れを完全に断ち切ってくれた。本作は子供向けの作品と言われ、作者自身もそう評しているようだが、それの何が悪かろう。アニメは本来子供が楽しむべきもの(と私は思う)。その子供を置いていってしまった感がある近年の作品に比べ、本作の芸術性、エンターテイメント性は高く評されてしかるべきだ。月が近づこうが、カンブリア紀の生物がよみがえろうが関係ねえといわんばかりの説明の不在、終盤の畳み掛け、全てが素晴らしい。そう、最早この世界に説明は必要ない。感じるか感じないかそれだけだ。
改めて、宮崎駿という人は怖ろしい人だと思った。子育てと仕事の両立、老人ホーム、環境破壊、探せば色々なテーマが転がっている。だが、それは相手にしない。考えたければ考えろ。それだけのことだ。それよりも観る者すべてを圧倒する色彩美、躍動感!これを表現できるのはアニメを措いて他にない。 劇場にいた子供たちの明るい笑い声。それが本作の魅力全てを物語っている。良いものを観せていただいて、ありがとうございました!帽子を脱いで一礼。 【枕流】さん [映画館(邦画)] 9点(2008-10-12 22:31:00)(良:2票)
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