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《ネタバレ》 第2次世界大戦頃のヨーロッパでの話。クルト・ゲロンという才能に溢れたユダヤ人俳優(兼監督)はドイツのナイトクラブで喝采を浴びていた。彼の愛嬌たっぷりな表情とでっぷりと肥えた体格、そして過剰なほどのコミカルな演技は観客の心を掴んで離さなかった。しかし、時は1930年代。まもなくナチス親衛隊の規則正しい足音がベルリンの町に響くようになる。
容貌魁偉なクルト・ゲロンという映画界の鬼才が主人公に据えてあるが、この映画の主題は当時のドイツの情勢やそこに生きた映画界の人々(特にユダヤ人)の心情や行動だ。彼らのナチスに対する反応は実に様々で、クルト・ゲロンのようにその危険性を十分に認識できなかった者もいれば、さっさとヨーロッパから脱出を図った者もいた。時流を読む目の大切さを感じた。また、現在まで生き延びている生存者のインタビューも興味深い。当時のドイツの「芸能人」の生き様を知る資料として一級であるといえよう。収容所(テレージエンシュタット)内でのナチスの彼らに対する扱いも興味深い。 しかしながら、映画としては退屈な部分もある。インタビューが中心とならざるを得ないためだ。特に中盤については、もう少し尺を短くすることも可能だっただろう。 【枕流】さん [映画館(字幕)] 6点(2011-07-21 22:00:33)
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