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確かに現代の映画に比べれば、テンポはのろいし、コントの寄せ集めのような場面もあると言えないこともない。しかし、製作されたのが1930年代であることを考えると、この映画がいかに進歩的かつ深い意味を持つ作品かを実感する。「大いなる幻影」というタイトルの孕む意味の多重性(戦争が幻影なのか、滅び行く貴族階級が幻影なのか、再会を誓うマレシャルの思いが幻影なのか)も秀逸だ。この映画を観るとそこはかとなく哀しくなるのは、滅亡の美学とも言える独特の世界観に覆われているからだろう。こんな風に心を揺さぶる映画は初めてだった。どぎつい反戦映画よりも心の深い部分に訴えかけてくる。
【枕流】さん [DVD(字幕)] 6点(2008-01-10 23:26:05)
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