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この映画を観ると、とてもノスタルジックな気分になる。青春の衝動をこれほどうまく描けている映画はないのではないか?
確かに、僕はスラムで暮らしていないし、日本で本物の銃や麻薬なんて見たこともない。だが、この映画に出てくる奴らには、いちいち共感できる。確かにリトル・ゼほどイカれた奴はいなかったが、ベネもブスカペもカベレイラもみんな近くにいた。そんな気がする。全ては環境の力なんだと思う。場合によっては、僕もあの中の一人になって誰かを殺していたかもしれない。 クラブでのリトル・ゼの表情。カベレイラやブスカペが好きな女の子と二人きりになれたときの初々しいしぐさ。数え上げればきりが無いが、この映画は青春の「リアル」を見事なまでに捉えている。そこまで、極道な彼らへの共感を引き出せるこの映画は恐ろしい。躍動感溢れるカメラワークや構成の巧みさも相俟って、映画史上に残る傑作に仕上がっている。青春の儚いきらめき。それを完璧に描ききっている映画には10点をつけざるを得ない。メイレレス監督と同時代に生きていることは僕の歓びだ。 【枕流】さん [DVD(字幕)] 10点(2007-07-15 00:22:32)
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