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ブラック・レイン のクチコミ・感想
作品情報
タイトル名 ブラック・レイン
製作国米,日
上映時間125分
劇場公開日 1989-10-07
ジャンルアクション,ドラマ,犯罪もの,刑事もの,ヤクザ・マフィア
レビュー情報
《ネタバレ》 マイケル・ダグラスの魅力が最も輝いている一本だと思います。汚職や暴力的な性格といった、人間臭い刑事の役どころは、当時のマイケル・ダグラスにぴったりで、存在感充分です。対するキャラクターとしては、高倉健演じる警部補で、この二人が対立を経てお互い理解しあうというストーリーの軸は、よくあるハリウッド刑事映画の基本パターンではあります。ですが、そこにアメリカと日本という要素を加えることによって、一段上の作品に仕上がっていると思います。
この作品が持つテーマとは、違う国の文化、習慣、考え方に対しての「敬意」ではないでしょうか。監督のリドリー・スコットや製作者は、日本を舞台にしながら、それまでによく見受けられた、忍者・芸者・腹切りなどといった見世物的要素を排し、日本人の「考え方」に眼を向けています。高倉健の役は、規則に縛られて上司の目を気にする警部補で、ケイト・キャプショーは「何年住んでも、日本人からみれば私も“ガイジン”」とセリフで語り、形見分けの習慣も劇中で使われるなど、「日本人とはどのような人間なのか」という探求心を、製作者側が持っていたことが感じられるのです。
アメリカ人と日本人が始めはぶつかり合うが、悪を倒すための捜査という行動を経て、お互いに敬意を払うようになる、という人間の可能性を描いた、単純ですが品位の高いストーリーだと思います。異なる宗教や民族の集まるアメリカが抱える問題に対し、一つの回答を提示した作品、と言ってしまうと過大評価になってしまうのでしょうか?
塚原新さん [DVD(字幕)] 9点(2006-12-31 21:38:08)(良:2票)
その他情報
作品のレビュー数 229件
作品の平均点 6.73点
作品の点数分布
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210.44%
373.06%
4135.68%
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65222.71%
74620.09%
84017.47%
92310.04%
10146.11%
作品の標準偏差 1.72
このレビューの偏差値 57.66
※この作品のどの当たりの点数に位置するかを表した値
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