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《ネタバレ》 調べてみるとイーストウッド監督作品を劇場で見るのは97年の「目撃」以来19年ぶり。これほど間が空いたのはどうしても見たいというテーマがなかったからだが、氏の監督作品があまりにも絶賛され続けていたので反発したという理由も少しある。実は今回の「ハドソン川の奇跡」もロン・ハワード作品と勘違いしたまま見に行ったのだ。結果は・・・素晴らしい作品だった。トム・ハンクスの演技も素晴らしい。邦題からするとプロジェクトXのような全編いい話なのかと思いきや、機長の判断の是非が問われるというサスペンスフルな展開に。こんなことがあったとは・・・日本ではほとんど報じられていない事実の連続に驚く。国家運輸安全委員会(日本でいう事故調査委員会)の追及は一見非人道的に思えるがそうではない。彼らは事故の全容を明らかにするためにありとあらゆる可能性を検証しているだけなのだ。彼らも機長同様プロフェッショナルなのだ。そういうところはいかにもアメリカらしいというか、アメリカの良いところだと思う。最後に邦題について。映画のタイトルは本編と同じくらい監督の主張が表れていると思うのだが(ただし邦画はこの限りではない)、「ハドソン川の奇跡」という邦題は安直過ぎないか。確かに事故直後から現地でも"Miracle on the Hudson"というフレーズは使われていた。なのにあえてイーストウッド監督はタイトルを"SULLY"(機長のニックネーム)としたのだ。そこにはイーストウッド監督の明確な意志が込められている。それを尊重しない日本の配給会社は果たして本当に映画を愛しているのか疑問に思う。
【MASS】さん [映画館(字幕)] 9点(2016-10-02 02:17:41)
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