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実は見直したらそれほどでもなかったんだけど、若いころ入れ込んだ一本で悪口言う気になれない。記憶の中でいつのまにかワイド画面になってたのは、横移動の記憶がフレームを横に広げていたのだろう。斜めの移動も好きなんだ。私がかってに“背後霊の構図”と名付けている監督お得意の構図があって、こちらを向いている人が、画面の中央下ぎりぎりのところに顔だけ収まってたり、左を向く人を画面の左端に寄せておいたりする。つまりその人物よりも、その人物の背後に広がる空間をたっぷり取っている。するとなにかその人物を本人に気づかれずに操っているものの気配・あるいはその人物をじっと黙って観察しているものの気配が、背後にあやしくわだかまって感じられてくる。それが日本家屋の暗さとあいまって、独特の味わいを作っていた。主演女優の選択の趣味の悪さっていうのにも、この監督独特のものがあったなあ。
【なんのかんの】さん [映画館(邦画)] 9点(2008-06-15 12:12:56)
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