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天草四郎時貞 のクチコミ・感想
作品情報
タイトル名 天草四郎時貞
製作国
上映時間101分
ジャンル時代劇,モノクロ映画
レビュー情報
佐藤慶は、横からの光で陰影が出てこそ生きる顔。白黒映画向き。いっぽう大川橋蔵は、こうこうとしたライトの下でこそ映える顔。カラー映画向き。この白黒映画は、主演俳優にとっても監督にとってもつらい組み合わせだったんじゃないか。でもまったくつまらないかというと、そうでもなく、革命論としてああだこうだ思考している部分は濃い。ラストで「日本の夜と霧」を小さくしたようなディスカッションシーンがある。みんなの心が一つの意志で固まり同じ目的に進むというような、革命の機が熟するとき、ってのは永遠に来ないのではないか、という問題が提示される。分裂と離反を繰り返してこそ革新的であり続けられるのだとしたら、革新的であることが革命を向こうへ向こうへと押しやっているのではないか、というパラドックスがある。急進派と慎重派を両極とした幅広い団結は可能か、そのような団結に意義はあるのか、といった問題にもなってくる。そういう面倒くさいことは映画でなく本でやってくれ、という意見もあろうが(おそらく大川橋蔵もそう思っただろうが)、60年代とはこういう時代だったのだ。「日本の夜と霧」から「白昼の通り魔」へとつながる革命崩壊三部作とでも呼ぼうか。
なんのかんのさん [映画館(邦画)] 6点(2008-01-05 12:23:39)
その他情報
作品のレビュー数 2件
作品の平均点 6.50点
作品の点数分布
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作品の標準偏差 0.50
このレビューの偏差値 30.00
※この作品のどの当たりの点数に位置するかを表した値
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