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「本当はいい子なんだ、社会が悪いんだ」なんてメッセージは、たぶん今では無効だろうけど、その単純さに徹してあれこれいじらずに押し通されると、紋切り型は承知の上で、それを越えて感動させられてしまう。浦山監督のいいところは、前向きの人間を描いて嫌らしさが出ないとこだ。観客は若い二人の仲だけは絶対に信頼できるようになっている。窓越しに「俺のこと嫌いか?」「ううん」なんてやってるシーンに、今さら感動できるとは思ってなかった。最後の駅の喫茶店のシーンなんか、青春的でよかったなあ。前向きに生きる決意と、後ろにあるものを断ち切る勇気と、そしてレールに象徴される旅立ち! 単純なもの・陳腐なはずのものが、この人の映画では、素直にそうだそうだと見ていられる。人徳?
【なんのかんの】さん [映画館(邦画)] 7点(2008-03-25 12:27:40)
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