Menu
 > 作品
 > ソ行
 > 続・忍びの者
 > なんのかんのさんのレビュー
続・忍びの者 のクチコミ・感想
作品情報
タイトル名 続・忍びの者
製作国
上映時間93分
劇場公開日 1963-08-10
ジャンルアクション,ドラマ,時代劇,シリーズもの,モノクロ映画,小説の映画化
レビュー情報
《ネタバレ》 私なんか山村聡っていうとテレビでの「ホームドラマの穏和なお父さん」って印象が強いので、昔の映画で暗い役やってるのを見ると最初は意外な気がしてた。煩悶したり自殺したり、ものごとを悪い方へ悪い方へと考えがちな、知的で暗い人物の役が多く、監督やらせると『蟹工船』だったり。だもんで、光秀=戦国史上一番暗い男=山村とすんなりキャスティングされたんだろう。まだ私はホームドラマのお父さん気分が抜けきれてないもんだから、ちょっと戸惑った。若山富三郎の信長体型もかなり違和感だったし(こっちの方がよっぽど石川五右衛門)。でもそれらは見てるこちらの問題。忍者映画にしては忍びの者が無力すぎないか。本能寺で何をしたかっていうと、トドメは刺したものの、追い詰める手段としては床下で火を焚いてるだけなの。個人的な子の仇なら、光秀を離反させるなんて遠回しな政治力学に加担するより、好きなときに自分で忍んで寝てるとこ刺せばいいじゃないか、そんな簡単に忍び込めるんなら。人に使われることが染みついた下忍根性のフガイなさ、ってテーマに集約されてるわけでもなく、なんか無力感ばかりが募る(本能寺で学んで、次の聚楽第では前向きになったってこと?)。そして左翼監督の悪癖、弾圧されるシーンでの悲壮感への陶酔。なぜ敗北したのか、と建て直しに向けた論理的な検証はなく、弾圧されたこと自体が自分たちが正義である証明だとでも言うように酔ってしまう。弾圧された死者たちは、ただの記念碑になってしまう。これ左翼に限らず、日本において野党的なるものに共通している心情。
なんのかんのさん [CS・衛星(邦画)] 6点(2010-12-06 10:29:28)
その他情報
作品のレビュー数 8件
作品の平均点 7.12点
作品の点数分布
000.00%
100.00%
200.00%
300.00%
400.00%
500.00%
6112.50%
7562.50%
8225.00%
900.00%
1000.00%
作品の標準偏差 0.60
このレビューの偏差値 18.70
※この作品のどの当たりの点数に位置するかを表した値
続・忍びの者のレビュー一覧を見る


© 1997 JTNEWS