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《ネタバレ》 一兵士の体験する苛酷な戦争。ふと「悪夢のオデュッセイ」なんて文句を思い浮かべたが、いやいやこれは夢ではなく多くの兵士の実体験が凝り固まったものなんだ、と反省した。ソ連の映画は自由の描写に敏感で、脱走後の鳥のさえずりを聞きながら草の中に寝転んでいるとこの俯瞰など、思いが詰まっている。記憶に残るエピソードとしては、教会を汚すことは出来ないと便意をこらえきれずに殺される者、細かく分配されるパンとチーズ、やっと石を運び上げたとこで突き落とされる者。さらに妻の爆死と自慢の息子の戦死と、ここまで人民はかわいそうにされなくちゃいけないのか、という気もするけど、社会参加へ持っていくのに踏み台としては「家族」が必要なのね。ただどうしてもこの手の社会主義映画の弱点は、怒りを他者に向け切っちゃってるとこで、跳ね返ってくる危険のない場所で攻撃してる、ってとこがある。まあだからこれだけ徹底して「かわいそう」が出来るんだろう。これはこれで一つの視点だろうが、限界でもあった。ソ連映画は音楽がやたら格調高い。
【なんのかんの】さん [映画館(字幕)] 7点(2012-04-24 09:40:16)
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