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《ネタバレ》 最初のうちはほとんど演歌の世界「騙されました、捨てられました、酒場女の涙雨」ってな感じで、この映画大丈夫かなあと心配してると、続いて青春歌謡ふう「連絡線のデッキから、二人で眺めた水平線」ってな感じになり、さらに四畳半フォークソングふう「あなたに嫌われるのが怖くって」といった展開、ここらへんで、この映画はいいと確信した。とにかくヒロインの人づきあいの下手さ加減の描写がリアルだ。いつも警戒心張りつめてるんだけど、ひとたび心が通ったかと思うともうダーッと想いがほとばしっちゃって、くどくどとまとわりつく。あなたの邪魔になりたくないの、と気をつかわれること自体が鬱陶しいのに、分からない。沈黙すらうるさい。それで我慢できずに男がちょっと叱ると、クスリ大量に服んで横たわってる。そりゃ、カンベンしてよ、って言いたくもなるわ。彼女の対極にあるのが、もう人間の酸いも甘いも知り尽くしたアン姐さん(好演)、この二人の対比の妙に魅せられた。貝に閉じ籠っていた姫が救われる人形劇で彼女も救われるのか、まあ人生はチャチャチャ、女二人で踊るのもいいじゃないですか。電車や船のなにげないロングショットが、心がほぐれるように美しい。
【なんのかんの】さん [DVD(字幕)] 7点(2007-12-12 12:41:11)(良:1票)
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