タイトル名	つぐない
製作国	英,仏
上映時間	130分
劇場公開日	2008-04-12
ジャンル	ドラマ,戦争もの,ロマンス,小説の映画化

《ネタバレ》　名作といわれるメロドラマがしばしば戦争を背景にしているのはなぜか、という疑問があったのだが、これはその一つの答え。メロドラマは鎮魂なんだな。戦争で恋を成就できずに死んでいった若者たちに代わって、スクリーンの上で恋愛をさせてあげてるんだ。また、恋愛とはその人がまさにその人でなければならない状況、戦争は逆に個人が誰でもいい一個の部品になる状況、その対比もドラマに効果をあげてるんだろう。ただこの作品のカップルの場合、不幸の原因として戦争よりも語り手の関与が大きいわけで、この“つぐない”で許せるかどうかは観客の度量の広さに左右される。話者の、裁かれたかった相手についに裁かれなかったことの後悔の深さ・重さは伝わったけど。唐突に出来事があってから少し巻き戻して説明していく話法が、ラストでもちょっとずるく使われた。あと、姉セシリアが水のモチーフで統一されたこと。タイプライターのリズムが、これが書かれた物語であることを強調していたこと。海岸での長回しは見事だったが、つい撮影の大変さのほうに気が行ってしまったこと。

作品のレビュー数	35件
作品の平均点	6.17点
作品の点数分布	0 0 0.00％ 1 0 0.00％ 2 0 0.00％ 3 1 2.86％ 4 5 14.29％ 5 7 20.00％ 6 7 20.00％ 7 8 22.86％ 8 3 8.57％ 9 4 11.43％ 10 0 0.00％
作品の標準偏差	1.61
このレビューの偏差値	53.19 ※この作品のどの当たりの点数に位置するかを表した値