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グランド・ホテル のクチコミ・感想
作品情報
タイトル名 グランド・ホテル
製作国
上映時間112分
劇場公開日 1933-10-05
ジャンルドラマ,モノクロ映画,戯曲(舞台劇)の映画化
レビュー情報
頽廃の匂いと言うほどではないが、アメリカがヨーロッパ・とりわけドイツに抱いている世紀末的な雰囲気への憧れが感じられた。子どもが大人に抱くような視線。滅びや衰退ってものの厳粛さへの過剰な評価。死が近づく病人、人気下降気味のバレリーナ、崖っぷちの会社、それらがウィンナワルツをBGMに旋回していく。当然のように犯罪も入り込んでくる。歴史を重ねてきた都市だけが醸し出せる「大人」の雰囲気。アメリカ映画が持てなかったヨーロッパ的なものを、とりわけ大事そうに画面に塗りこんでいるところが、いじらしくも楽しかった(ドイツの小説をアメリカで戯曲にしたのの映画化と聞いている)。この様式が拡大されたのが、アルトマンってことか。『グランド・ホテル』にはアメリカのヨーロッパへのコンプレックスが感じられるが、アルトマンがそれをより発展させ、混在国家アメリカに文化にしてしまった。最後に「事件」を置いてキュッと全体を締める手法なんか、『ナッシュビル』でより大規模に再現してくれた。そのアルトマンの映画が、ヨーロッパでより高く評価されたってあたり、旧世界と新世界の相互の「憧れ合い」が微笑ましく見えてくる。この手のドラマでは、人々がそれぞれの人生を担って同時に生きていることを示すため、当然のように長回しの手法が生かされてくるんだ。
なんのかんのさん [CS・衛星(字幕)] 7点(2012-03-18 10:02:32)(良:1票)
その他情報
作品のレビュー数 61件
作品の平均点 7.00点
作品の点数分布
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969.84%
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作品の標準偏差 1.44
このレビューの偏差値 50.00
※この作品のどの当たりの点数に位置するかを表した値
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