| 作品情報
レビュー情報
《ネタバレ》 イギリスは労働者の映画を得意としているが、これもそう。主婦が社会に目覚めていくって話はけっこうあったけど、う~ん、こう来たか。労働の楽しさと厳しさを描いて、実に鮮やか。自分の隠れた能力の発見、職業技術を熟達させていくこと・成果が上がっていくことの喜び、殺風景な職場を少しでも飾ろうとする気持ち、がある一方、職業病もあり、同僚との軋轢も経験する。社会で働くということのすべてを体験し、彼女は誇りを持つ。手段だったものが目的になっている。そのとき職種なんて関係ない。近所の主婦との茶会のシーンは、その誇りが輝き、楽しいシーンだが感動的でもある。何一つ後悔してなく後ろめたくもなく、堂々としている。実際マリアンヌ・フェイスフルがとても美しく見える。日本では作れない映画だなあ、と思った。もし作っても、息子と和解するところまでだろう。あのラスト、孫の看病より自分の人生を優先する結末は、日本ではたぶんシナリオ段階で注文がつき、もっと湿っぽく屈折させられるのではないか。
【なんのかんの】さん [DVD(字幕)] 7点(2009-02-11 12:15:01)
その他情報
|
© 1997 JTNEWS |