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《ネタバレ》 擬人化を最小限に抑えてあるのが楽しめる。いかにも機械機械したウォーリーが、しだいに個性を見せてくるあたり。目の双眼鏡のところの傾きだけで、けっこう細かい表情が出来るんだ。アニメの楽しみはこういうところにある。終わりのほうで“ただの機械になってしまう”なんてことを表現できるまでに、命を吹き込めていたわけ。大したものである(さかのぼれば『トイストーリー』、さらには『E.T.』でもぬいぐるみに化けるってのがあった)。ドラマとしては前半の廃墟の地球での出会いの部分が優れていた。映画史上でもかなり奇抜なボーイミーツガール。無駄な言葉のないサイレント映画の楽しみ。もっと廃墟そのものも味わいたかったけど。小さい助っ人ってのは、ディズニー映画では出さなければいけないという契約でもあるのだろうか。それほどドラマの進行に役立ってなくて、ただチョロチョロしてるだけだったという印象。宇宙船に話が移ってからは、『モンスターズ・インク』など既視感ある追っかけものになって、ボルテージが下がる。さらに『2001年』のパロディというか、コンピューターの反乱になって、デブとなった人類が再び歩行を始めるとこでツァラトゥストラが流れるのは、“パロディ”というより現在時点での“読み替え”と取ってやりたい。生き方を変える転換点としてのファンファーレ。寝たままのデブの対極に、ミュージカルのダンスがあるあたり、アメリカ人の誇りなんでしょうなあ。
【なんのかんの】さん [DVD(吹替)] 7点(2009-10-04 12:15:37)(良:2票)
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