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くちづけ(1955) のクチコミ・感想
作品情報
タイトル名 くちづけ(1955)
製作国
劇場公開日 1955-09-21
ジャンルドラマ,ラブストーリー,モノクロ映画,オムニバス,小説の映画化
レビュー情報
《ネタバレ》 第1話。いいなあ昭和30年の青春。肯定の精神。この手の朗らかさは今やるとシラけちゃうだろうが、やっぱり映画ってのはその時代固有の条件の中で生まれてくるものなんだなあ。だから時代の記録にもなるんだ。第2話。女湯でたてた波が小泉君のほうへ伝わっていくとこなんかよかった。第3話。オムニバスのリズムとしては、2と3入れ替えたほうがいいかもと思ったが(このコント的な味は中間部にふさわしい)、でもやっぱ監督の序列があるんだろう。『浮雲』の年で、肩の力を抜いた成瀬が楽しんで撮ってるような感じが好ましい。前の道をホッケの太鼓やチンドン屋がちゃんと通る。これで一番記憶に残ってるのはラストの八千草薫で、美貌の女優さんなら誰でもいいようなもんだけど、あの人のどこか非現実的な笑顔がピタリ合ってる。あの女優さんは、けっこう気のふれた人とか、ちょっと現実とずれた人やることが多いでしょ。「男はつらいよ」シリーズで一番最初にパターンを崩したのも八千草さんだったし(あれはシリーズ中でもかなり好きな一本)、ああいう役を観客に納得させて演じられる貴重な人。本作の一瞬の登場も、そういう彼女のキャラクターがあって、オチとして実にフンワリと心地よく決まる。
なんのかんのさん [映画館(邦画)] 7点(2010-09-22 09:56:37)(良:1票)
その他情報
作品のレビュー数 5件
作品の平均点 7.80点
作品の点数分布
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作品の標準偏差 0.75
このレビューの偏差値 35.71
※この作品のどの当たりの点数に位置するかを表した値
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