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愉しき哉人生 のクチコミ・感想
作品情報
タイトル名 愉しき哉人生
製作国
上映時間80分
劇場公開日 1944-01-27
ジャンルコメディ,モノクロ映画
レビュー情報
まるで安部公房の「友達」の設定を、皮肉でなくそのまま描いたような作品で、だから戦後の今見ると、「友達」と同じようなグロテスクなものに見えてくる。柳家金語楼の不気味さが遺憾なく発揮された映画に見える。冒頭なんか垢抜けてる。狂って鳴り出した時計を合図のように、風が起こり、主人公たち相馬一家の引っ越し荷物が向こうから現われてくる。全体としてアメリカ映画のスモールタウンものの味がある。中ごろでは桶屋のリズム、タンタンタンタン、タタータータタン、に合わせて唐突に山根寿子が歌を歌ったり、主婦たちのおしゃべりを、処理した音声でやってみたり、成瀬の奇妙な面をたくさん見られる。しっとりした成瀬ではなくて、乾いた成瀬。テーマは「気の持ちようで明るくなるさ」という、いかにも戦局が悪化している背景をうかがわせるもので、この登場人物たちの朗らかさがカタストロフの近づきをかえって動かしがたいものに感じさせてくれる。
なんのかんのさん [映画館(邦画)] 6点(2009-04-11 11:59:23)
その他情報
作品のレビュー数 3件
作品の平均点 7.00点
作品の点数分布
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作品の標準偏差 0.82
このレビューの偏差値 35.00
※この作品のどの当たりの点数に位置するかを表した値
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