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アリス・イン・ワンダーランド のクチコミ・感想
作品情報
タイトル名 アリス・イン・ワンダーランド
製作国
上映時間109分
劇場公開日 2010-04-17
ジャンルアドベンチャー,ファンタジー,シリーズもの,ファミリー,小説の映画化,3D映画
レビュー情報
《ネタバレ》 ファンタジーに登場する小人とか巨人てのは、だいたい何倍もの差があったのに、ここでのアリスと帽子屋や白の女王の場なんかは二倍に至らない一点何倍かの差。これが面白い。この中途半端な「縮尺」が新鮮。完全なファンタジー的造形物より、そういった微妙に異常なものが、こちらを刺激してくる。だから一番印象に残るのは赤の女王の頭で、この映画に価値があるとするなら、彼女によってだ。あと、彼女に処刑されることになる蛙の番兵の表情なんかもよかったな。それも完全な作り物ではなく、リアルな蛙だから映えた。そういった半リアル造形物だけで「アリス」を作ったら楽しかっただろうに、ハリウッドではファンタジーは冒険物語にしないといけないらしく、ラストではアリスがジャンヌ・ダルクよろしく活劇を展開するのには予想されたとは言え、がっかりした。何でも善と悪の争いにしないと気がすまないらしい。そこで目覚めたアリスが、リアルな世界に戻って東洋への経済侵略の尖兵となっていくという結末は、どう見ればいいのだろう。ブラック・ジョークとしては優れているが、どうもそれほどひねっているようでなく、歴史への無知・無恥ゆえの無邪気さのよう。あのなんでも「善と悪」にしないとすまない性向と、どこかでつながっているような。年表で確認したが、「アリス」が書かれたのは阿片戦争が終わって二十数年後だった。20世紀文学を予告した小説ではあるが、それを生んだのが19世紀帝国主義の暴風の中だったことを、この映画のラストは思い返させてはくれた。
なんのかんのさん [DVD(字幕)] 6点(2011-02-27 12:21:38)
その他情報
作品のレビュー数 140件
作品の平均点 5.22点
作品の点数分布
021.43%
100.00%
232.14%
3107.14%
42417.14%
54431.43%
63122.14%
71913.57%
842.86%
921.43%
1010.71%
作品の標準偏差 1.54
このレビューの偏差値 53.26
※この作品のどの当たりの点数に位置するかを表した値
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