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乗り物がいっぱい。船、父と家族を結ぶ(隔てる?)大きなのから、夫婦あるいは恋人同士を乗せる小さなのまで。さらに家の中にも波の揺れる置き物つきの模型。飛行機もラジコンのおもちゃに本物がかぶさる。車が走る回りをカメラがまとい付き、ときに後ろから乗り越えて前にさかさまに回り込んだりする。だからどうだっていうものじゃないけど、作品の「家庭」というテーマを小さく固めないように揺さぶってたって感じ。この家の上には不吉な月が始終かかってて、いや、不吉っていうより何か薄い印象か。青空も同じで、手応えの薄い感じ。ただそういう「感じ」ばかりが先行し、作品の手応えも「薄く」なってた。ま、それが現代なんだって言えばそれまでなんだけど。ちょっと凝りすぎてて、でもあんまり効果のないいろいろのシーン、顔洗うとこを水中から撮ったり、冷蔵庫の中にカメラを収めておいたり、そういういろいろ、やらないよりはやったほうがいいのかも知れないけど、どうも単に意表を衝くってこと以上の、映画の興奮には至ってなかったように思う。
【なんのかんの】さん [映画館(邦画)] 6点(2010-08-11 09:54:11)
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