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白夜(1971) のクチコミ・感想
作品情報
タイトル名 白夜(1971)
製作国仏,伊
上映時間83分
劇場公開日 1978-02-25
ジャンルドラマ,ロマンス,小説の映画化
レビュー情報
なんて言うんだろう、針金だけでできているような映画。人物に厚みがない(これ普通はけなすときに使うんだけど、そうじゃないんだ)。現実を慎重に薄~く切った結果なのか。憑かれているものの薄さとも言える。抽象画の友人の忠告に対して、こちらは古城のロマネスクに徹してる。女性を追いかけるのも、なにかに憑かれている感じ。だから全体から見ると消極的な生き方なのだが、その「一筋」に関しては豊かこの上ないわけ。実にぶっきらぼうな唐突性のなかに、あのボサノバの船がゆったりと流れていく豊かさと照合できますか。この人の映画は、針金の鋭さで描き切るのが多いけど、本作ではその針金を通して、豊かでロマネスクなものが匂い立っている。こういう世界も隠し持っていたのか。ドアの開閉のリズムなんかに抑えに抑えた美しさがあって。テープに「マルト」と吹き込んで、バスの中でかけたりして、ほんとなら突き放したくなっちゃう主人公なんだけど、ブレッソンの文脈の中だと、憑かれた崇高さが出てくるから不思議。
なんのかんのさん [映画館(字幕)] 7点(2010-09-26 10:11:16)
その他情報
作品のレビュー数 5件
作品の平均点 6.80点
作品の点数分布
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作品の標準偏差 0.98
このレビューの偏差値 52.08
※この作品のどの当たりの点数に位置するかを表した値
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