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紐育の波止場 のクチコミ・感想
作品情報
タイトル名 紐育の波止場
製作国
上映時間90分
ジャンルドラマ,ラブストーリー,サイレント,モノクロ映画
レビュー情報
夜霧の波止場。すさんだ人々の吹きだまり。これだけの状況設定なら話はこうなる、という風に淡々と進行していく、その確実さ。霧の中の逆光、女を部屋に運び入れるあたりが特に美しい。また、男の荒っぽさの描写がいいんだなあ。ただ荒いってだけじゃなくて、不器用な感じをにじませる。どんちゃん騒ぎの中での結婚式。酒場女からの指輪のプレゼント、あとで刃傷沙汰のときの口をつぐむことが、それへのお返しになる。この酒場の賑わいの合い間に、たとえば牧師がやってくるあたりの、外の暗い静けさがはさまるのが、いいんだよね。まわりの暗さからこの一角を必死に守ろうとしているような、いとおしさ。主人公の火夫の無表情ぶりもいい。戻ってくるところなんか。こういう「片隅の人情もの」は、そのまま松竹によって模倣され(島津保次郎の『上陸第一歩』ってのになった。小津の『出来ごころ』ともつながってるな)、日本の風土に見事に移し替えられていくわけだ。
なんのかんのさん [映画館(字幕)] 7点(2011-01-12 10:15:38)
その他情報
作品のレビュー数 6件
作品の平均点 6.67点
作品の点数分布
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作品の標準偏差 1.60
このレビューの偏差値 51.30
※この作品のどの当たりの点数に位置するかを表した値
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