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《ネタバレ》 あんまり伏線がカッチリ組まれていると息苦しくなるものだが、場当たり的なシナリオの映画が続いた後に観ると、その息苦しさのほうが嬉しい。オーソドックスな歩く刑事の捜査もので、これまたオーソドックスに師弟もの。シナリオもオーソドックスに伏線で組み上げられている。追跡中に路上で殴られている男を放置したことが心に引っかかっていた新米は、後段で負傷した警官を介護し追跡を放棄する。冒頭の犬頭のテストが、レオン・カーファイによって反復されていく(一番ドキドキするとこ、「子豚」の普通の女の子っぽい表情が、想像される彼女の内心と擦り合わされて、緊張を生む)。犬頭の小話。頚動脈の因果応報。などなどが作品を支える網の目になっていて、その網の目の細かさがうるさく感じられるギリギリのところ。殴られていた男の再登場は、ちょっと話をゴチャゴチャさせ過ぎている気がするが、偶然と必然が渾沌としているような街だから、まあいいだろう。雨が上がるとこ。傘がたたまれ視界が開け、追跡が再開され、音声では犬頭の小話が続き…、ここらへんのオーソドックスぶりに、一作目はとにかく基本に徹してみよう、という監督の姿勢が感じられ、嬉しい。
【なんのかんの】さん [DVD(字幕)] 7点(2010-12-24 12:14:28)
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