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うまいところに目を付けた。ヒトラーとスターリンという悪役同士の戦場なら、おのずと兵士個人の物語へと感情移入がしやすい。都市に冠した独裁者の名を守るためにのみ、無名の若者が次々と投入されていく戦場。一方は野育ち、一方はインテリ、おそらく戦争でもなけりゃ永遠に出会わなかっただろう二人が争う。けっきょく絨毯爆撃や原爆といった巨大な暴力による大量虐殺によって終わる世界戦争の中にあって、一人一人を狙撃し仕留めていく二人が、古い剣豪物語の主人公のように見え、彼らだって殺人者なのに、その外側のより無機的な殺人システムを告発しているように見えてくる。とりわけソ連のまったく消費材としてしか兵士を見ない体質、たぶんあの戦争の時ここまで自国の兵士の命をないがしろに扱ったのは、日本とソ連がダントツだったと思うのだが、その共通点が何に由来するのか、昔から気になっているが分からない。
【なんのかんの】さん [映画館(字幕)] 7点(2008-08-14 10:03:22)
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