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《ネタバレ》 足でドンドンとやりだすと、こちらも文句なく興奮してくるのは何なんだろう、原初から人間に伝わる労働のリズムなのか。フラメンコって足が雄弁なダンスだ(ハワイのフラダンスなんかはほとんど手だけの踊り。足のほうが活躍するのは北のロシアコサックぐらいか。緯度の高低とダンスって関係があるのかな。さらに思ったのは、暖かい地方の阿波踊りは手がひらひらしてて、北のねぶたになるとやたらジャンプしてるぞ、と脱線しかけてやめる)。フラメンコってのは、対立シーンになると盛り上がる。女同士にしろ男同士にしろ。フラメンコはもともと「わだかまり」を描くものなのかもしれない。だってあんな苦悶の表情をたたえて踊るダンスってほかにあるか。楽屋入り、化粧、レッスン、衣装つけての通し、とだんだん現実の世界から虚の世界に入っていく趣向。レッスンで鏡のほうへ向かって斜めにくるくる回りながら並んでやってくるあたりから、だんだん現実と虚構のさかいがあやしくなってくる。オハナシは「女房持ちの男と結婚ひかえた女が出来てて式の日に駆け落ちし、決闘で男二人とも死んじゃう」ってんだけど、すべて情熱なのよね。理性で抑えきれないものが騒ぎ出し、しかめつらの舞踏になっていったものがフラメンコなのか。窓からの光が美しい。決闘シーンではスローモーションふう振り付けになる。最初のほう、中央に二人が重なってわかれていくあたりがすごくいい。さて花嫁の血は、あれは演出だったのか否か? と惑わせる趣向。
【なんのかんの】さん [映画館(字幕)] 7点(2011-11-03 10:09:32)
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