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夕陽に赤い俺の顔 のクチコミ・感想
作品情報
タイトル名 夕陽に赤い俺の顔
製作国
上映時間82分
劇場公開日 1961-02-19
ジャンルアクション,ドラマ,コメディ,ミュージカル,パロディ
レビュー情報
「殺し屋」というイメージが持っているある種の情緒(ニヒルで・孤独で・斜に構えた)を、無効にしたい思いが感じられる。ちょうどヨーロッパ映画などでもポップな風潮が流行ってきたころで、その流れに乗ったのか。本来なら背反されるものが一緒にあることの「肩透かし感」みたいなもの。ドクターは医者と殺し屋を両立させていて、殺された人物に「ご臨終です」と宣告する。(当時の)近代的な団地をそれぞれの変装で行くおかしさ(殺し屋たちの個性が弱いのが残念、和風やくざの三井弘次なんかもっとうまく使えなかったか)。寺山の特徴は、情緒を排斥したい気分と、情緒にひたりたいウェットな志向とが重なっているポップ感で、殺し屋たちはドライにコンクールで腕を見極めようとするが、彼らが歌う歌は船頭小唄の替え歌で「俺は下町殺し屋さ~」となる。もちろんこの対比のおかしさがポップでもあるんだけど、情緒纏綿とした大正歌謡や下町という風土の肌合いへの志向は、ただ対比のために持ち出されたものでなく、彼の好みでもあったはずだ。監督篠田は松竹ヌーベルバーグとして括るのとは別に、鈴木清順と同時代人という(今まで考えたこともなかったが)世界的なポップの風潮での括りもあるんだなあ、と発見した。
なんのかんのさん [CS・衛星(邦画)] 6点(2013-02-25 09:58:21)
その他情報
作品のレビュー数 6件
作品の平均点 6.33点
作品の点数分布
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作品の標準偏差 0.94
このレビューの偏差値 46.25
※この作品のどの当たりの点数に位置するかを表した値
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