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《ネタバレ》 主役は「スパーク三人娘」のひとり、園まり(あと二人は伊東ゆかり・中尾ミエでポップス系の印象を強く残していた。園さんも最初のうちはあちらの歌を歌っていた記憶があるが、すぐに純歌謡曲路線・ムード歌謡の世界の人になった)。役名もマリで、山本陽子がヨーコで分かりやすいというか、安易というか。マリがヨーコに誘われて訪れたクラブで歌手がエスケープしちゃってて、急遽代理で歌うことになる。最初は尻込みし、歌の入りのところで間違い、すみませんもう一度お願いしますとおろおろ、ヤレヤレという表情をクラブのマネージャーがして、でも二度目の前奏で乗ってくる感じがあって「なんでもないわ」を歌うの。おーっ、と見直すマネージャー。と段取り通りに正確に進行する心地よさがあった。その前にドリフターズが歌う「涙くんさよなら」に「愛しちゃったのよ」が混ざってくるギャグもあった。一応恋の話があって、死んだやくざの兄の子分・岬さんって高橋英樹ね。大衆映画では話の骨格によく兄妹が仕組まれるのはなんでなんだろう。男女でありながら清く、家庭の記憶につながっていくからか。布施明はただステージで「霧の摩周湖」を歌い、当時の小悪魔奥村チヨはタバコの売り子から歌手へと出世していく。初めてマリが岬さんと踊るシーンは、暗い照明、呟くような園まりの歌声など、グッと来ちゃった。横浜ドリームランドの観覧車のシーンも暗かったが、これは物理的に十分照明が採れなかったのであろう。グッと来なかった。園まりの丸顔は、団令子といいあの時代の流行だったんだな。高橋英樹は横浜の港からブラジルへ去っていくのであった。監督は同年にやはり山本陽子と『大巨獣ガッパ』も手がけた野口晴康。
【なんのかんの】さん [映画館(邦画)] 6点(2013-11-25 09:48:59)
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