Menu
 > 作品
 > ツ行
 > 月はどっちに出ている
 > なんのかんのさんのレビュー
月はどっちに出ている のクチコミ・感想
作品情報
タイトル名 月はどっちに出ている
製作国
上映時間109分
劇場公開日 1993-11-06
ジャンルドラマ,コメディ,小説の映画化
レビュー情報
《ネタバレ》 問題の立て方は悪くないのだが、どうも映画としてザクッとくるところがない。そのエッジの不確かな鈍痛感こそ、在日外国人の痛みに一番近いのかも知れないけど。タクシー運転手という、他人と一対一の仕事場の面白さがあまり生かされなかったのでは。一番実感があったのは、乗り逃げ客の場だな。姜(が)さんと呼ぶ、自称韓国問題に関心のある客、ただただ穏やかに受けていく忠男、逃げた後の追っかけがあって、客は開き直って暴れ、次いで手をついて謝り、次いで防御の姿勢を取るところがおかしい。日本そのものの戯画として秀逸。釣銭を渡すのがいい。道に迷う新米、東京タワー、黄金のウンコ、の次に富士山が来る。タクシーの漂流の感覚と出稼ぎ者の感覚、その「地に足が着いていない」心細さと自由さ、それらをもっと詰めれば、在日の問題が普遍的なテーマにまで広がったようにも思えるが、ちょっとタクシー会社内のシーンの比重が大きすぎた。この浮島のような会社が燃える、ということの重さがも一つ感じられなかった。アイデンティティの不確かな世界を、満ちては欠ける月だけを頼りに車を走らせていく、って設定は理解できる。
なんのかんのさん [映画館(邦画)] 6点(2011-05-28 12:49:22)
その他情報
作品のレビュー数 33件
作品の平均点 5.79点
作品の点数分布
000.00%
113.03%
226.06%
326.06%
439.09%
5618.18%
639.09%
7824.24%
8824.24%
900.00%
1000.00%
作品の標準偏差 2.00
このレビューの偏差値 50.53
※この作品のどの当たりの点数に位置するかを表した値
月はどっちに出ているのレビュー一覧を見る


© 1997 JTNEWS