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東京物語 のクチコミ・感想
作品情報
タイトル名 東京物語
製作国
上映時間136分
劇場公開日 1953-11-03
ジャンルドラマ,モノクロ映画
レビュー情報
老夫婦が子どもに会うために東へ行き、子どもたちが親を送るために西へ行く、というシンプルな二つの移動の物語で、しかしその移動はほとんど描かれず、ただ西から東へ帰る紀子(原節子)の姿のみが最後に置かれる。描かれているのは人の世のむごさだが、しかしそのむごさは改めたり正したり出来る「あやまち」といった類いのものではなく、「そういうふうになってるもの」として提示されているがゆえにより沁みる。以前は、最後の京子(香川京子)の憤懣がちょっと剥き出しで、この繊細きわまる傑作の唯一のほころびかと思ったときもあったが、あれはただ本質を見つめられない「若さ」を客観的に描いていたのかもしれない。紀子によってフォローされているのだし。その紀子と京子が時計を介して照らし合わされ、移動する車中の紀子で閉じられていくことは、ここで初めて西と東が連続しようとしているようにも思われた。おそらく京子はここを通って東に行くだろう。しかし老父の葬儀までもうここを西に行く家族はいまい、という幕を引くための移動のようにも思われてくるのだ。
なんのかんのさん [CS・衛星(邦画)] 9点(2011-04-15 09:43:53)
その他情報
作品のレビュー数 199件
作品の平均点 8.13点
作品の点数分布
021.01%
110.50%
221.01%
300.00%
442.01%
584.02%
6147.04%
72613.07%
84824.12%
93417.09%
106030.15%
作品の標準偏差 1.93
このレビューの偏差値 52.36
※この作品のどの当たりの点数に位置するかを表した値
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