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銀河鉄道の夜(1985) のクチコミ・感想
作品情報
タイトル名 銀河鉄道の夜(1985)
製作国
上映時間107分
劇場公開日 1985-07-13
ジャンルファンタジー,アニメ,動物もの,小説の映画化,漫画の映画化
レビュー情報
猫にしたのが当時は賛否両論だった。子ども向けに迎合してる、って意見があったけど、猫にしたことによって無表情が自然になってる、と私は断然「賛」だった。人間だと無表情は中間的表情というより陰気なイメージになってしまうが、猫だとほんとにニュートラルな表情となり、それが少年の純な心にピッタリする。そして賢治の世界にふさわしい。原作のイメージが素晴らしいんだけど、映画もそれを膨らませている。丘へ上る道が銀河につながっていくところ。静かに繰り返されるレールのガタンガタンのリズム。冒頭を初め、全編を通して振り子のイメージが貫いている。待合い所のメトロノーム、新世界交響楽の駅にも大振り子。ときどき流れ過ぎる輝く正四面体がちょっとつまらないのと、リンゴの皮を剥くとどんどん蒸発していく原作のイメージがなかったのは残念。ジョバンニが自分だけ違う切符を持っているあたりから忍び寄ってくる不安、「どこまでも一緒だよね」と何度も確認するあたりから、もう泣けてしまう。ジョバンニには妹を失った賢治がいるし、カムパネルラには、貧しい農民になれない地主の息子の後ろめたさを抱いている賢治がいる。そういったもろもろを静かな暗さの中で反芻していた賢治は、本当にいいなとあらためて思う。永訣の夜としての銀河鉄道。
なんのかんのさん [CS・衛星(邦画)] 9点(2012-08-22 10:04:56)(良:1票)
その他情報
作品のレビュー数 101件
作品の平均点 7.52点
作品の点数分布
000.00%
121.98%
232.97%
332.97%
443.96%
565.94%
654.95%
71615.84%
82423.76%
91716.83%
102120.79%
作品の標準偏差 2.25
このレビューの偏差値 52.90
※この作品のどの当たりの点数に位置するかを表した値
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