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風の丘を越えて~西便制 のクチコミ・感想
作品情報
タイトル名 風の丘を越えて~西便制
製作国
上映時間113分
劇場公開日 1994-06-25
ジャンルドラマ
レビュー情報
《ネタバレ》 典型的な芸道ものなんだけど、新鮮に感じた。神話的な旅芸人を、素直に現実の中にはめ込んでいる。一族だけの至福感は、もう田舎道をやってくる長回しのシーンで満ちている。ここは本当に神話から抜け出してきたような雰囲気がある。一族の宴。けっきょくこれが彼らが一緒にいられた最後の時になるわけだけれども。このあとは、歌ってるとベサメムーチョの楽隊に音は消されていく。没落感覚。薬のPRしたり、お酌させられたり、兄弟弟子は麻薬に溺れていく。美しい文字絵も流行らなくなる。映画はただただ滅びる側に寄り添って、現実の中に埋没していく神話を記録していく。で失明。彼女が盲目になってからの風景描写は一段と凄味を増し、「蕭条」と言うんですか、芸の奥の世界へ分け入っていく感じ。現実の中から神話が蘇ってくる。そして更なる伝承を思わせる旅立ちのラスト。いつもは「湿っぽい」というのは、映画の感想としては否定的に使っていたものだが、これなんか実に「上品に湿っぽい」。どんな方向にも洗練されれば感動があるのだ。
なんのかんのさん [映画館(字幕)] 8点(2010-07-06 12:10:24)(良:1票)
その他情報
作品のレビュー数 20件
作品の平均点 7.50点
作品の点数分布
015.00%
100.00%
200.00%
300.00%
400.00%
515.00%
6315.00%
7420.00%
8315.00%
9525.00%
10315.00%
作品の標準偏差 2.25
このレビューの偏差値 50.99
※この作品のどの当たりの点数に位置するかを表した値
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