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過去を引きずる後ろ向きの群像、となるとあまり目新しさは感じられないんだけど、詠嘆調でなく場面場面にカラッと鮮やかなシーンを入れて引き締めている。あるいはセリフ、「別れた男に少しでも傷を負わせたら、女はバンザイよ」。大坂志郎の新幹線ホームで見せるイキイキした顔。とにかく細部が生きてる映画だ。電話の伝言、ビクター犬、猫のアブサン、シーツ。途中でネチネチし出すかと心配させたが、大丈夫だった。ただ主人公の父の死や、学生運動などを折り込んだのはどうか。そういったものを入れるのなら、もっと主人公の心のなかの「凄味」を出さないといけなかったんじゃないか。飲み屋の女主人がプロレスあがりってのも面白かったな。
【なんのかんの】さん [映画館(邦画)] 6点(2012-08-31 09:25:53)
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