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果しなき欲望 のクチコミ・感想
作品情報
タイトル名 果しなき欲望
製作国
上映時間100分
劇場公開日 1958-11-18
ジャンルドラマ,サスペンス,コメディ,モノクロ映画,犯罪もの,小説の映画化
レビュー情報
《ネタバレ》 上と下の緊張。二階の渡辺美佐子と下の階で二階を気にしている男ども。あるいは画面そのものが上と下を同時に捉え、上で近所づきあいのやりとりしてて、下で西村晃や小沢昭一が穴開いたガス管で苦しんでるカット。あるいは上を行くトラックと、下で穴の崩れを支えている連中。表面の日常のなにごともなさと、下での汗水たらした欲望の渦巻き。今村の世界を象徴するような二分割カットが秀逸。川縁での長門裕之のデートと、下に潜む男たちってのもあった。独特のコッテリしたユーモアになっている。加藤武の脚や小沢昭一の手なども、グロテスクな笑いを誘う。独立志向の中原早苗は今村ヒロインの原型のようで、やがて『豚と軍艦』の吉村実子につながるキャラクター(もっとも体型的には『赤い殺意』の春川ますみにつながり、原作は同じ藤原審爾だ。ついでに言っとくと、この藤原さんて、あと『秋津温泉』とか『泥だらけの純情』とか『馬鹿まるだし』とか『ある殺し屋』とか、60年代を代表するユニークな映画に原作を提供していて、気になる作家。藤真利子のお父さん)。欲望渦巻くさまを喜劇として捉え、渡辺美佐子の描きかたなど、非難せず、どちらかというとそのバイタリティにただただ感嘆しているよう。緊迫した瞬間に入る門づけのチリーンの音が、絶妙。
なんのかんのさん [映画館(邦画)] 8点(2010-04-28 12:05:35)(良:1票)
その他情報
作品のレビュー数 7件
作品の平均点 7.43点
作品の点数分布
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8228.57%
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作品の標準偏差 0.90
このレビューの偏差値 57.00
※この作品のどの当たりの点数に位置するかを表した値
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