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連隊仲間で酒を回し飲みしながら会話を進めるあたりなどに、岡本監督のリズム感がうかがえるが、もひとつ快調でないのは、彼の終生のテーマである「戦争」に初めて挑んだその距離感をどうすればいいのかという迷いがあったのだろうか。活劇映画としての戦争映画を作るのは簡単で、それにコミカルな味を加えるのもそれほど難しくはないだろう(『人間の条件』と同時代にやったのは立派)。しかしそれだけでは済ましたくないという思いが監督にはあって、そのモヤモヤがやがて『日本のいちばん長い日』や『肉弾』を生み出していくわけだけど、その始まりの一本として、どう手をつけていいのかという困惑のほうが感じられた。本当に「豪放」なのか、「豪放」というパロディを演じているのか、佐藤允の怪演の勢いに乗せて強引に押し切った作品という印象。戦場を描くには、こういった装いが必要なほど愚劣なところなんだ、という作者の困惑の果ての一手だったという気もする。岡本監督の常連中谷一郎がすでにいい味、これが初顔合わせなのかな。
【なんのかんの】さん [CS・衛星(邦画)] 6点(2012-07-10 09:53:57)
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