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趣向に内容が追いつけなかった、ってところがあります。フランス篇などお荷物になってしまった。風紀を緩めるとバビロン篇、キツすぎると現代篇、程良いのがよろしいようで、といった教訓付き。ラスト、銃を捨てて抱き合い、地上には天使が現われるあたり、ちょっと感動というより、その楽天主義に馬鹿馬鹿しくなってしまう。これは当時の観客が素朴だったっていうより、作者の態度がそれだけ安直だったってことじゃないかな。構想だけで煮詰めずに始めちゃったとか。この映画の意義は、金をかければ、その金をかけたってことが見ものになる、って前例を作ったことだろう。これはある程度映画史に見られるジャンルで、そういう見世物的スペクタクル性ってのも映画の重要な要素ではある、「う~ん、金をかけてるなあ」というレベルではしみじみ感動できる、でもお話が弱すぎた。彼のメロドラマは今でも映画作品として十分鑑賞の対象になれるが、こっちは映画史のお勉強として見る、ってとこ。まあまあ観られるのは現代篇で、子どもを矯風会みたいのに取られちゃうとことか、真犯人の情婦がおろおろするとことか。
【なんのかんの】さん [映画館(字幕)] 6点(2009-11-26 11:59:11)
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