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ドイツ零年 のクチコミ・感想
作品情報
タイトル名 ドイツ零年
製作国
上映時間78分
ジャンルドラマ,戦争もの,モノクロ映画
レビュー情報
廃墟のベルリンをそのままセットで使うって、考えてみればずいぶん贅沢な映画です。露出の不安定さが変にリアル。ニュースみたいだからだろうか。突然カッと光があふれるショック。狭い室内ではカメラが人物を追いまわし、目まぐるしく往復する。父殺し以降の充実感がすごい。社会派ドキュメンタリーだったものに、不意に神話的な風が吹き込んできて、罪と救済のテーマが躍り出てくる。さらに子どもの孤独の描写、これは敗戦国に限らないかもしれない。いままでの登場人物たちに少年を拒絶させていくの。突如鳴り響くオルガン、ヘンデルのラルゴ。町並みにたたずむ人々。前半のヒットラーの演説と対照させる。しかし教会も救済してくれない。このラストの少年への密着がすごくて、淡々と戦後風景のルポやってたのが、グッと奔流に飲み込まれる。社会が悪いんだ、とは言えるが、なぜその報いがこの少年に集中するのか? そのシステムの由来は? なんてことを考えてると、神の問題に近づいてしまうのだった。
なんのかんのさん [映画館(字幕)] 8点(2013-12-18 12:33:14)
その他情報
作品のレビュー数 15件
作品の平均点 7.40点
作品の点数分布
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6213.33%
7426.67%
8320.00%
9320.00%
1016.67%
作品の標準偏差 1.45
このレビューの偏差値 52.85
※この作品のどの当たりの点数に位置するかを表した値
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