Menu
 > 作品
 > ソ行
 > そして人生はつづく
 > なんのかんのさんのレビュー
そして人生はつづく のクチコミ・感想
作品情報
タイトル名 そして人生はつづく
製作国イラン
上映時間95分
劇場公開日 1993-10-23
ジャンルドラマ,実話もの,ロードムービー
レビュー情報
《ネタバレ》 これ日本で初めて映写されたアッバス・キアロスタミ作品だったと思う。『友だちのうちはどこ?』公開より前に東京映画祭で上映された。せっかくの国際映画祭なので、まず一般公開されそうにないイランの映画を選んで見たのに(一本千円)、やがて一般公開されて悔しかった。もちろんこの舌を噛みそうな名前の監督の作品公開が続くことになったのは歓喜したが。地震の被災地へ向かうロードムービーなんだけど、「悲惨」を描く場面が一切ない。明るさと暖かさ。理不尽な天変地異と向かい合ったとき、かえって見えてくる「人の生活の明るさと暖かさ」、それがそれとはっきり輪郭を見せてしまう一歩手前でスケッチしているようなところが、すごくいい。静かで穏やかなものとして。立ち小便する少年が、どうも広いところではやりづらく、細~い木の陰になってするユーモアでまず引きこまれた。壊れた店でジュースを買おうとするあたりのアレコレ。そういうロードムービーの中で目的地のコケルの町が聖地のように特化されていく、一種の巡礼のようになっていく。渋滞(『ウィークエンド』よりすごい)から脇道に入って、ますますコケルが聖化されていく。展開する明るさも、別に「息苦しい市民社会から解放された」なんてんじゃなく、そもそもそう窮屈な土地柄ではなさそう。この不思議な明るさを見るだけでも心ときめくフィルムだ。ロングで捉えた地割れもすごかった。これが初めて観たイラン映画だったが、イスラム臭が全然ないのに驚かされたものだった。のちに『友だちのうちは…』を観たあとで再見したら、また味わいが深まった。
なんのかんのさん [映画館(字幕)] 8点(2012-01-08 10:06:51)(良:1票)
その他情報
作品のレビュー数 12件
作品の平均点 7.50点
作品の点数分布
000.00%
100.00%
200.00%
300.00%
400.00%
500.00%
6216.67%
7325.00%
8650.00%
918.33%
1000.00%
作品の標準偏差 0.87
このレビューの偏差値 56.67
※この作品のどの当たりの点数に位置するかを表した値
そして人生はつづくのレビュー一覧を見る


© 1997 JTNEWS