Menu
 > 作品
 > ホ行
 > 放射能X
 > なんのかんのさんのレビュー
放射能X のクチコミ・感想
作品情報
タイトル名 放射能X
製作国
上映時間94分
ジャンルホラー,SF,モノクロ映画,特撮もの
レビュー情報
《ネタバレ》 キチッと楷書で書かれたような、正しいモンスターもの。最初は人里離れた地での異変、無表情の少女が人形を抱いて荒れ地を歩いてるってのが導入として見事。やがて『キングコング』式に、脅威は都会へ拡散してくる。漠然とした謎ではなく、砂糖という具体物に焦点を当てているのも、現実と通じあっていていい。科学映画の蟻の生態のフィルムによっても、空想科学の空想を現実に繋ぎ止めている。現実との見立ては、最後で蟻の巣と都会の雨水路が重ねられる。戒厳令はものものしく、ちゃんと美人科学者も出てくるし、これで巨大蟻の造形がもうちょっと良かったら申し分ないんだけど…、と若干の不満を思ったが、モンスターをショボくしか作れないという欠点を意識していたからこそ、気配や予兆で話を持っていく「怪奇もの」の文法ってのが練り上げられたのではないだろうか。いまは技術の発達により、造形に凝ることが可能になって、それが映画の売りになるまでになった。ギーガーなど、モンスターの造形家の固有名詞が宣伝材料になる。それはそれでいいことだ。しかしモンスターがショボい時代があったからこそ、それ用の文法が出来た。これは、映画が最初にサイレントの時代があったからこそ、独自の芸術を生み出せたってことと同じで、だからこのショボい巨大蟻にも、我々は感謝しなければならないのだ。
なんのかんのさん [DVD(字幕)] 7点(2011-01-08 10:19:34)(良:1票)
その他情報
作品のレビュー数 13件
作品の平均点 6.85点
作品の点数分布
000.00%
100.00%
200.00%
300.00%
400.00%
517.69%
6323.08%
7646.15%
8323.08%
900.00%
1000.00%
作品の標準偏差 0.86
このレビューの偏差値 52.06
※この作品のどの当たりの点数に位置するかを表した値
放射能Xのレビュー一覧を見る


© 1997 JTNEWS