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黄色い大地(1984) のクチコミ・感想
作品情報
タイトル名 黄色い大地(1984)
製作国
上映時間94分
劇場公開日 1986-07-11
ジャンルドラマ,戦争もの,小説の映画化
レビュー情報
冒頭、八路軍兵士が一人で小さく心細そうに現われてくるだけで、「あれ? これは今までの前向きの共産主義者とは違うぞ」と驚かされ、それと重なってくる荒々しい民俗音楽で、なにか新しい中国映画・というより国籍とは関係ない「映画」を観てるんだ、という気になった。過去の悲惨を扱って現在の矛盾から目をそらしてる、と言う批判も出来るかもしれないが、それよりも一本の映画としての完成度にまず驚くべきだろう。照明はスクリーンで観られるギリギリぐらいにまで落とし、ふいごの音や室外の家畜の声が際立つ。目を凝らし耳を澄まさないと捉えられないような世界を築いていく。この時間が粒だって清水のように流れていく感じは、最良の映画だけが持てる幸福な感覚だ。その自然界と結びついたような時間の中に不意に登場人物の民謡が飛び込んでくる刺激、ここに「大きな自然と小さな人間」という彼らの生活が直接に表現されている(特に弟が歌いだす瞬間)。政治的メッセージよりも、人間が生活していることへの新鮮な驚きとそれへの畏敬がベースになっている。突然中国映画の新展開を見せてくれた忘れ難いフィルム。
なんのかんのさん [映画館(字幕)] 8点(2011-07-24 10:17:41)(良:1票)
その他情報
作品のレビュー数 18件
作品の平均点 6.94点
作品の点数分布
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315.56%
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615.56%
7316.67%
8527.78%
9422.22%
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作品の標準偏差 1.81
このレビューの偏差値 53.22
※この作品のどの当たりの点数に位置するかを表した値
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